気付けば、あっという間に10月も終わり…。
あれよあれよという間に11月です。2018年も、あと残すところ2か月を切ろうとしています。
ということは、もうすぐ今年もやってくる…。血沸き肉躍るあの日がっっっ!!!
…という訳で、今日は中国の「双十一」について、ざっくり解説していきたいと思います。
① 双十一って何の日?
ずばり「大規模セールデー」です!!
この数年、日本のメディアでも取り上げられることが多くなってきた「双十一」。
11が2つ、つまり、「11月11日」のことですが、元々この日は、「独身の日(中国語では光棍节(guānggùnjié))」と呼ばれる日でした。
中国語で、独身者のことを「光棍(guānggùn)」と言います。直訳すると「つるぴかの棒」。11月11日は棒状のアラビア数字の1が並んでいるため、自然と「光棍(guānggùn)= つまり独身者」を想起させます。
中国の若者たちは1990年代頃から、この11月11日を独身者の日として、みんなで集まってパーティーを開いたり、交際相手を探したりといった、一種のイベントとみなしてきました。
そこに目を付けたのが、そう、ジャック・マー氏の立ち上げた「アリババ(中国語では阿里巴巴(Ālǐbābā))」です。
「独身者のみなさ~ん、この日に買い物をしましょう!割引するよっ♡」と、若者たちにインターネットショッピングを呼びかけたのです。
2009年に初めて独身の日を狙ったセールを仕掛けると、その売り上げは年々急拡大!!右肩上がりの急成長を遂げ、ついに2017年の取引額は、アリババグループだけで、日本円にして約2.7兆円となりました!!もはや国家予算規模です。
② アリババってどんな会社?
最近は、創業者であるジャック・マー氏の引退宣言が話題になりましたね。
ニュースにも出てくるし、色々すごい企業だってことはわかってるけど、一体何をやっている会社なの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
正式には阿里巴巴集团(アリババ・グループ・ホールディング)と言い、ざっくりいうと、IT関連の企業です。
アリババが展開する主なサービスは、下記のとおりです。
天猫(Tmall):B to C(法人⇔個人)のEC(電子商取引)サイト。日本で言うと、「楽天市場」のような形式。
淘宝网(Taobao):C to C(個人⇔個人)のEC(電子商取引)サイト。日本で言うと、「ヤフーオークション」のような形式。
支付宝(Alipay):オンライン決済サービス。なお、このサービスの運営は、子会社であるアントフィナンシャルが行っている。同社は、個人信用評価システム「芝麻信用」を開発したことでも有名。
③ 他にどんな企業がセールをしているの?
先ほど、「アリババ(阿里巴巴)」がこうしたセールを最初に始めた企業だとご紹介しました。
ただ、その後は他にも同様のセールを行う企業が出てきています。
2017年の統計を見てみると、売上高ではアリババが全体の売上高の約60%を占め、圧倒的首位の座についています。しかしながら、他の企業も年々その売り上げの規模を順調に増やしています。
京东(JD.com):2017年の統計では、全体の売上高のうち約20%を占め、アリババに次ぐ業界第二位。
この数字からもわかるように、アリババと京東が、ネット通販の二大大手となっています。この二社だけで、売り上げの約80%を占めています。
中国でCМを見たことがある人なら「ジンドーン♪」というフレーズが耳に残っているのではないでしょうか?笑
苏宁易购(Suning.com):元はと言えば、中国では言わずと知れた家電量販店。そのため、家電分野で大きな強みがある。唯品会(VIP)と業界第3位の座を争う。
唯品会(VIP):本物以外の商品が流れないような仕組作りに力を入れている。苏宁易购(Suning.com)と業界第3位の座を争う。
補足:「双十一」という言い方は、広義には11月11日に行われる全ての販促活動を含みます。
が、実際には「双十一」はアリババグループの登録商標となるため、厳密に言えば、京東(京东)やその他の会社の販促セールには、この名称が使えないことになっています。
④ どんなものが売れているの?
全体の売上額から見ると、下記の製品が売れていることがわかります。
家電:全体の約20%
携帯:全体の約9%
化粧品:全体の約8%
赤ちゃん用品:全体の約4%
ちなみに、私の知人の中国人女性は主婦なのですが、「昔は化粧品とか買ってたんだけど、今じゃこの日にティッシュとか、柔軟剤とか、家庭用品をまとめ買いしているの。あと買ってるのは、子どものおもちゃとか、自分の家族にプレゼントする用のものかなぁ」と言っていました。
そう、私も主婦なので気持ちがよくわかるのですが、「ティッシュやトイレットペーパーは嵩張る・柔軟剤や洗剤はとにかく重い」と、自分で買い物に行くのって実はものすごい重労働なのです…。なので、安く売りだされるこの日にまとめ買いして、自宅まで届けてもらうという訳です。まるでAmazonパントリーみたいな使い方です。
思わず、「なるほど~。そういう使い方もあるのか!」と唸ってしまいました。
終わりに
この10年ほどの間に、中国はオンライン決済システムの整備や、大量の商品を全国津々浦々に配送する物流網などのインフラが急速に発展してきました。
それが、この「双十一」の取引額の増大を支えているといって良いでしょう。
越境EC(中国人消費者がオンラインサービスを通じて、海外からものを購入すること)が近年日本のニュースでも話題となっています。そう、この「双十一」の与える影響は、中国国内だけでなく、もはや世界各国にまで及んでいるのです。
企業や消費者にとっては、良いことばかりのようにも思えるこの「双十一」。
しかしながら、輸送のために大量の梱包材が使用されるなど、環境への負荷も問題視されています。
今年ももうすぐやってくる「双十一」。今後も要注目です!!
私が中国語講師を務めるストアカでも、上記のような中国事情について、折に触れてご紹介していければと思っています(^^)
皆様にレッスンでお会いできるのを楽しみにしています!