この間は中秋節ネタを書きそびれた私ですが、国慶節だけは外してなるものかと思い、この記事を書き上げました。笑
「国慶節??何となく聞いたことはあるけど、よくわからな~い」というそこのあなた!
歴史も交えてざっくり紹介しますので、ぜひご一読ください(^^)
① ずばり建国記念日です!
新中国、つまり現在の中華人民共和国は、1949年10月1日に誕生しました。それを祝って、毎年10月1日は、日本でいうところの国民の休日となっているのです。
「あれ…第二次世界大戦が終結したのは1945年だよね?この4年間、中国はどうなっていたの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
この4年間、中国では、中国共産党と、中国国民党の間で、戦闘状態が続いていました(第二次国共内戦)。
元々、この2つの党は中国国内で争っていたのですが、日中戦争時(1937年-1945年)には、日本を相手に戦わなければならないので、内輪揉めしている場合ではありません。そこで、毛沢東率いる中国共産党と、蒋介石率いる中国国民党は、「国共合作」といって、手を組むことにしたのでした。
でも、第二次世界大戦で日本が敗北すると、この内戦が再度勃発。最初は苦しんでいた中国共産党軍でしたが、最終的に中国国民党に勝利しました。
そこで、毛沢東が、1949年10月1日に北京で「中華人民共和国」の樹立を宣言したのです。
ちなみに、中国国民党を率いていた蒋介石は、台湾に渡りました。現在の台湾の国民政府は、「中華民国」と称しています。
② 国慶節は、大型連休!
例年、日本でいうところのゴールデンウィークのように、10月1日~7日は、企業や学校は1週間程度お休みになります。
ちなみに、私が前回書きそびれた中秋節も、例年3日程度のお休みになります。つまり、3連休+7連休で、秋のこの時期は一大行楽シーズン。国内旅行や海外旅行を楽しむ人で、公共機関は大混雑します。
ちなみに気を付けたいのがどちらが新暦でどちらが旧暦かということ。
◆ 中秋節:旧暦で考えるため、毎年日にちが変わります。
◆ 国慶節:新暦で考えるため、毎年同じです。
したがって、場合によってはこの2つの連休が合体することもあります。
2017年は、中秋節休みは、国慶節休みに吸収されてしまっていました。
私が中国人だったら、何かちょっと損した気分かも(^^;)
③ この時期日本人が気を付けたいこと!
国慶節休みは、企業もまとめて休みに入るため、その前後は、出張は避けた方が良いでしょう。
というか、その期間中は、日本に遊びに来る人&帰国する人で、航空券のチケット自体、非常に取りにくくなります。
また、高鉄(中国版新幹線)や高速道路等も混雑して、中国の国内移動もいつも以上に時間がかかるため、この時期の旅行及び出張は、個人的にはやめておいた方が良いと思います。
また、通関も通常どおりとはいきませんので、ビジネスで輸出入に携わっている方は、出荷or入荷時期をずらすなど、注意が必要です(釈迦に説法でしょうが)。
私自身、前職(中国向け輸出)では、大型連休前となると、決まって「納期前倒しして、休み前に物を出して~!!」という中国側からの無茶ぶりに苦しめられてきました。笑
そしていざ国慶節を迎えると、ぱたりと止む連絡。メールの量の多少から、中国の国慶節を感じ取ったものです…。
また、実務的な問題とは別に、この時期特に気を付けたいのが、日本に対する感情です。歴史的な側面から見ても、この時期は政治的な問題に非常に敏感になる時期。国慶節に近い1931年9月18日には、満州事変の発端となった、柳条湖事件も起きています。
中国の方たちと付き合ってきて、中国人にとっての歴史問題は、日本人が考える以上に、センシティブ且つ深刻なテーマだと感じます。
この時期中国に行く際には、中国側の誤解を招くような行動は慎みたいものです。
終わりに
日本の建国記念日とは、少し感覚が違うところもある中国の国慶節。
私たちが違う歴史を歩んできたことを、改めて認識させられます。
自分なりの意見を持つことはもちろん大事ですが、相手と円滑にコミュニケーションを進めるためには、相手の背景についても、知識を持つことが大切だと思います。
私が講師を務める中国語講座でも、中国事情について折に触れてお伝えしていければと思っています。レッスンでお会いできるのを楽しみにしています(^^)